PJeganathan, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
インドブチジャコウネコ(Malabar large-spotted civet)は、別名マラバルジャコウネコ(Malabar Civet Jawad)とも呼ばれる、インドの西ガーツ山脈に生息する固有種です。
ただし、有効な種なのかについては論争があり、ビルマジャコウネコ(large spotted civet, Viverra megaspila)と同種と考える学者もいます。
インドブチジャコウネコの体長は76~85 cm、尻尾の長さは33~40 cm、体重は8~9 kgです。
インドブチジャコウネコの体色は薄暗い灰色です。
頬に黒い斑点、背中と側面に大きな横方向の黒い斑点、首に2本の斜め横方向の暗い線があります。
これらの黒いマークは、インドジャコウネコよりも顕著です。
喉と首は白く、尻尾は黒で縞模様があり、先端が黒くなっています。 また、足は暗色になっています。
ビルマジャコウネコとの違いは、足の裏が大きく剥き出しになっている点だとされています。
インドブチジャコウネコは、夜行性かつ単独行動をするために非常に見つけにくく、その生態や習性に関する情報は全くと言っていいほど有りませんが、主に小型哺乳類、鳥、ヘビ、カエル、果物、卵を食べると考えられています。
インドブチジャコウネコは、茂みがあるカシューのプランテーションや樹木が茂った地域に生息していましたが、ゴム農園にするための森林伐採とプランテーションの転換(ゴム農園は茂みが無く拓けてしまっているため)で、生息地がなくなり、さらに狩猟によって個体数を大きく減らしました。
成体個体数は 250 頭未満と推定されるため、IUCN レッドリストでは絶滅危惧種に指定されています。
1960年代までに、この種は絶滅したと考えられていましたが、1980年代後半に再度発見され、まだ存在するとされました。
しかし、1990年から2014年の間に実施された調査では発見することができず、絶滅したとの推測もあります。
昔は、インドブチジャコウネコを捕獲、飼育して、臭腺からシベトンを抽出して薬を作ったり、霊猫香(civetあるいはジャコウネコムスク)と呼ばれる香料にしていました。
かつては、あの「シャネルの5番」にも使われてたそうですよ!?
なお、COVID-19のパンデミックによって封鎖中のインドで、人けの無くなった通りを歩いているインドブチジャコウネコ(マラバルジャコウネコ)の動画が世界中で話題になりましたが、のちに多くの専門家によって、実際にはコジャコウネコ(Viverricula indica)であると特定されました。
インドブチジャコウネコの魅力をもっと知ることができる、おすすめの動画やWEBサイトを厳選しました。
Malabar large-spotted civet | Malabar Civet - Critically endangered |ದೊಡ್ದ ಪುನಗಿನ |ಬಾಲ್ ಕುಟ್ರಿ|civet(ಜ್ಞಾನಕೋಶ knowledge is light)
インドブチジャコウネコについて、特徴から歴史まで解説している動画です。 (字幕はありません)
ネットにはほぼ存在しないインドブチジャコウネコの写真やイラストを多く使っているので、見るだけでも価値があります。
とりあえず、ジャコウネコに興味を持たれた方に。 姿の特徴や習性といった基本情報のほかに、ジャコウネコのフンとコーヒー豆の話や、香水との関係の話など、面白い話が紹介されています。
ネットにはほとんど情報のない、インドブチジャコウネコについての英語版wikipediaページです。
(現時点で日本語版はありません。)
※これらの機能は、検索ワードを入力するたびに内容が更新されます。