フイリマングースは、英名ではSmall Indian mongooseといいますが、インドだけでなくミャンマー、中国南部、バングラデシュ、ブータン、ネパール、パキスタン、アフガニスタン、イランと広く分布しています。
さらに、それ以外の各地でも外来種として持ち込まれており、沖縄で生態系破壊を起こして問題になっているのも、このフイリマングースです。
フイリマングースは、ハイイロマングースやジャワマングースに比べて小型なのが特徴です。
見た目はイタチそっくりで、外敵に襲われたときに雄雌共に肛門付近にある臭腺から強い悪臭のする液体を放って防御したり(いわゆるイタチの最後っ屁)と、習性までイタチに似ていますが、ジャコウネコの近縁です。
学名は現在Mangusta auropunctataですが、過去にはHerpestes auropunctatus、Mangusta pallipes、Herpestes palustrisと呼ばれていました。
フイリマングースは、1910年に動物学者・渡瀬庄三郎によってガンジス川流域で捕獲された個体が沖縄に持ちこまれ、1979年には沖縄から奄美大島に持ち込まれました。
ハブの天敵として、そしてサトウキビ農園に害をもたらしていたネズミの駆除のためでしたが、実際には奄美大島などの固有種・希少種を多く捕食し生態系を破壊してしまいました。
そのうえ、フイリマングースは昼行性なのに対してハブが夜行性のため、また危険なハブを食べなくても、安全で簡単に食べられる動きの鈍い固有種などの生き物がいるため、ほとんどハブを捕食することが無かったという、最悪の結果をもたらしました。
ジャマイカやハワイ、フィジーなどでも同様の理由で持ち込まれ、同じような被害をもたらしています。
有害な外来種として、各地で駆除をしているが、根絶に成功したのはカリブ海の6つの島とフロリダのドッジ島だけです。
なお、沖縄本島北部のフイリマングースが、人のレプトスピラ症を引き起こすレプトスピラ菌および抗生物質耐性大腸菌に感染していることが判明しています。
プエルトリコの主要な狂犬病ベクターとしても知られていますが、人間への感染は低いとされています。
フイリマングースの魅力をもっと知ることができる、おすすめの動画やWEBサイトを厳選しました。
ハブ対マングース(cocoabg5)
かつて沖縄では、見世物としてマングース対ハブの闘いのショーが行われていました。
これは、奄美大島のハブセンターでのショーを記録したものです。
闘犬などと同様に批判が多く、現在では行われていないため、貴重な映像です。
江戸時代中期に編纂された百科事典「和漢三才図会」に記載されたフイリマングースについて、紹介しているブログです。
「食蛇鼠」とあり、こんな昔から蛇の天敵と考えられていたことがわかります。
資料が古いのでジャワマングースと紹介されていますが、フイリマングースについての農水省の資料です。
害獣としてフイリマングースの基本情報や移入の経緯、イタチなど似ている動物との見分け方、被害やその対策について述べられています。
フイリマングースが、どのように沖縄や奄美大島で生態系破壊を起こしたのか、その経緯とともに詳しく述べられています。
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